基本となる食生活と気を付けたいポイント
内臓脂肪の改善方法に必要なことは、バランスの良い食事を摂取することと適度な運動量を日々消化することが要となります。特にダイレクトに脂質を体へ送り込んでしまう食事においては、細かくチェックをしたほうが良いとされています。
厚生労働省では近年内臓脂肪の過剰摂取から派生する脂質異常罹患者が急増している背景から、脂質異常症における食事療法の基本を掲げています。その内容は次のようなもので、段階ごとに適正化をはかるように指示されています。
脂質異常症における食事療法の基本について
第一段階
総摂取エネルギーの適正化
適正エネルギー摂取量を標準体重と照らし合わせて算出する。
栄養素配分とコレステロール値の適正化
炭水化物は60%、たんぱく質は魚肉や大豆たんぱくを多く摂取して15%〜20%以内にする。
脂肪は植物性や魚肉性脂肪を多く摂取する。※両方とも鳥獣肉は少なくすること。
食物繊維は25g以上摂取する。
アルコールは持病や合併症を考慮して25g以下にとどめる。
ビタミンC、E、B6、B12、葉酸とポリフェノール含有量が多い野菜や果物を多くとること。※果物は単糖類で糖分摂取が多くなる懸念があるので、1日80kcal〜100kcal以内にするように心掛ける。
第一段階では摂取カロリーに配慮した内容となり、継続しても改善が見られず血清脂質の数値が目標値に至らない場合に第2段階に移行されるように指示されています。
第ニ段階
悪玉高コレステロール血症が持続するケース
脂質制限を更に強化して、脂肪由来エネルギーの摂取を総摂取エネルギーの20%以下に抑えるよにする。
コレステロール摂取量は1日200r以下に制限し、そのうえで次の脂肪酸の割合も順守する。飽和脂肪酸3:一価不飽和脂肪酸4:多価不飽和脂肪酸3とする。
高トリグリセライド血症が持続するケース
アルコールは完全に禁止とし、炭水化物由来エネルギーは総摂取エネルギーの50%にする。
単糖類は出来る限り取らない方向にし、調味料で工夫をする。ただし、果糖の含まれる果物については1日80kcal〜100kcal以内まで摂取可能。
高コレステロール血症と高トリグリセライド血症が並行して持続するケース
上記に挙げた同じ病態と一緒の内容を順守すること。
高カイロミクロン血症のケース
脂肪を15%以下に制限すること。
厚生労働省・治療の基本は食事療法と薬物療法より抜粋
食事で気を付けたいポイント
上記に挙げた厚生労働省の脂質異常での食事療法の基本は、脂質異常に移行していない段階であっても内臓脂肪の多い状態下では是非取りいれたい内容です。そして更に予防効果を高めるために次の事柄を意識して実践するようにしましょう。
炭水化物について
消化急速度の速い高GI食品は血糖値の急激な上昇を起こすので避けておきます。特に運動前の摂取は空腹から飢餓状態に入っているため、ダイレクトに炭水化物の体内吸収が生じて内臓脂肪として貯えられるので危険です。
間食について
間食は全てを禁止する必要はありません。次の食事までのストレス性因子を産生するほか、食事の消化吸収速度が空腹によりあがりやすくなります。
砂糖を多く含んだお菓子やスナック菓子は避けて、おからで作ったものなど高タンパクで低カロリーな間食を少量食べて空腹感を癒しながら、血糖値を安定させる間食の摂り方が効果的です。
インシュリンについて
インシュリンの分泌は脂肪分解促進と切っても切れない関係です。このため、1日における栄養成分の摂取量を割合配分して調整する必要があります。
炭水化物4:タンパク質3:脂質3のカロリー割合を目標にしましょう。
内臓脂肪を蓄積させないための食べ方の注意点
食事内容を充実させて内臓脂肪の蓄積をなくすためにも、影響を及ぼす事項を知識として心にとどめておきましょう。
早食いは決してしないで、ゆっくり食べるようにしましょう。
食べる量はお腹を満腹にさせないで、腹八分目にとどめておきましょう。
必ず1日3食きちんとご飯をたべましょう。
夜八時以降に食べ物を口にするのはやめましょう。
テレビを観ながら、仕事をしながらなど、何かをしながら食事を摂るのはやめましょう。
飲み物に清涼飲料水はNGです。
食事は咀嚼を心掛け、一口30回は咀嚼するようにしましょう。
アルコールは控えましょう。
油っこいスナック菓子など酸化脂質の気になる食べ物は控えましょう。
野菜は沢山の種類を沢山たべましょう。
ビタミン、ミネラル食物繊維をタップリとるように意識しましょう。
塩分、糖分、油分を含む食品は過剰摂取にならないように気を付けましょう。